MOTOBLOG: 2020 MOTO スペシャルアイテム 続報③

2020-11-13

2020 MOTO スペシャルアイテム 続報③


【2020 MOTOスペシャルアイテム発売スケジュール】

オンラインストア : 11月20日(金)〜 
MOTO青山店、 MOTO米子店 : 12月5日(土)〜
MOTOSTYLE岡山店 : 12月6日(日)〜

素材に限りがあるため、

生産可能枚数を超えてしまった段階でSold outとなります。




とうとう出会ってしまいました!

元々ラインナップに想定していなかったレアなクロコダイル、

今期初登場です。

現物に触れたことのある方はとても少ないでしょう。

2017年にオークションハウスでバッグ史上最高額で落札された
エルメス・バーキンに使われていたのがこの革、

「ヒマラヤ・クロコダイル」

まさにクロコダイルの KING OF KINGS!

自分も知識はありましたが、超高級というイメージばかりが先行して、
正直、リアルに感じていませんでした。

違う革を探しているときに、不意に視界に入り、
軽い気持ちで手にしてみると、、


あっという間に、やられてました。


素材の持つパワー。
文章で上手く表現できませんが、なぜか惹きつけられる。
理由はよくわからないけど、なんか凄いってことは伝わる。
そんな第一印象でした。

一度気になってしまうと、もう引けません。
自分が惹かれた答えを探すように、製造工程から深掘りし、沼にハマっていきます。


初めに、ヒマラヤ・クロコダイルというネーミング。

ご存じ、あの世界最高峰ヒマラヤ山脈のヒマラヤです。
雪解けのヒマラヤ山脈を連想させるところから名付けられたようです。

ヒマラヤ山脈にワニはいませんが、、(笑)

冗談さておき、センターのオフホワイトから両サイドへのグラデーション。
このカラーが人工的な加工ならば、そこまで魅かれることはなかったでしょう。

先ず重要なのは、この色味、グラデーションが人為的に作られたものではなく、
完全に自然の産物、生きたワニの痕跡そのものである点です。

確かにワニの映像を見ると、お腹部分だけ色が白いですね。

革自体があまりに綺麗過ぎて、ワニそのものの生態を意識できなくなるほどです。
何枚ものヒマラヤを見せて頂きましたが、本当に全て異なります。

センター部分は、白が強いもの、ややアイボリーのもの、
サイドも淡いブラウン系からグレーを帯びたもの、

色だけでなく、グラデーションの入り方も濃度も個体それぞれ。

ただ、どんな個体でもヒマラヤになるのかというと、
それが、全然違うんです。

天然の色味を活かす仕上げの為、逆に何枚もの原皮の中から
選び抜かれたものだけが、ヒマラヤクロコとしての資格をあたえられます。

通常流通しているクロコダイルには、このグラデーションはありませんね。
それは、完全な脱色工程を経て、サイドの色味も抜き、全体を均一化した後、
様々な仕上げが施されている為です。

更にヒマラヤの場合、センターのホワイトが重要視される為、ごまかしがききません。
色味だけでなく、質的にも最高ランクの原皮しか選ばれません。

更に付け加えると、自分が感じたヒマラヤの深さは、

鱗 (ウロコ)です。

ワニの皮膚の一番外側には身を守るための硬質な鱗があり、その鱗の下に真皮があります。
クロコダイルを鞣す場合は、初めに原皮からその硬質な鱗を取り除き、各工程に移ります。

ヒマラヤは、自然を活かす仕上げの為、
原皮の時点で既に〇✖が決まっているわけです。

つまり、タンナーは鱗の付いた原皮の状態でそれを見極め、仕入れる目利きが必要になる。

鱗の下に隠れた、余計な色素や汚れ、キズだって当然あるでしょう。

唯でさえ、鞣し技術が難しく時間がかかるのに、
初期段階の原皮選び自体から、経験とリスク、美的感覚までも求められます。
世界的に限られたタンナーしか、ヒマラヤを生み出すことができない所以でしょう。

「ワニの鱗」
これは、ド級にマニアック写真ですね!

この革がなぜ希少とされ、最高級とされるのか、少しは伝わったでしょうか?

そろそろ、「早く商品見せろ」と突っ込まれそうですが、

もう少し蘊蓄に付き合ってください。

ヒマラヤ・クロコダイルのみではMOTOらしさが弱いので、
他には無いようなコンビネーションにしたい。

何を合わせようか、めちゃくちゃ悩みましたが、
高級感の方に軸を置くとやや自分の興味とズレるので、
野性味重視しで、 USA製 WICKETTのヌメをチョイス。


通常ありえない感じが、MOTOらしくてなんか良い!


尻尾部分のグラデーションと色の濃淡。ムラ感強くて最高にカッコいい!

ワニの尻尾にはストライプの模様があったんですね。初めて知りました。


一般的なヒマラヤイメージとは異なる、ワイルドな感じ。


グレー多めの被せパーツ。裁断場所によって、印象が変わる。
ご安心ください。全ての部分が間違いなくカッコいいですから!!

W6型被せ取り付け、手縫い仕上げ。




ヒマラヤ・クロコダイルラインナップ




新型のジップショートもご用意あります。






被せ付ロングウォレット LW2





3つ折りミドルウォレット  W6





被せ付コインケース C2




名刺入れ CA5
靴ベラ キーホルダー  KH10



MOTOらしさ満載の高級感と野生感。

これは興味深いラインナップが加わりました!

ヒマラヤ・クロコダイルのエイジングが気になる方も多いと思います。
鞣しとしては、環境に配慮したメタルフリーですが、
ヌメクロコのような植物タンニン鞣しではないので、
艶は上がりますが、飴色に変化するようなタイプではありません。

特に今回使用したヒマラヤは、数ある中でも特に綺麗な色の個体を
選ばせて頂いたので、汚れ等が気になる方は控えた方が良いかもしれませんね。

ただ、自分としては最高級だとしても余り過保護に育てず、
ガンガン使い込んで、この革本来の野性味を楽しんで欲しいと思います。

また、このコレクションは生産数が極めて少ない点、
色味など個体差が大きい点から店頭販売のみとさせて頂きます。
何卒ご理解ください。

いきなりクロコダイル3連発でかなり濃い内容になってますが、
まだまだ魅力的な素材を集めていますので、次回もお楽しみに!!