MOTOBLOG: MOTOR 1枚革バッグ 素材

2015-03-11

MOTOR 1枚革バッグ 素材



モーターの新作、1枚革のバッグを製作中です。

型紙のサンプルができ上がり、形もまとまったところで次は素材選びです。




今回のバッグのテーマとして、


きれいなフォルムに無骨さを表現できるレザーと言えば、、、





モーターのブーツやウォレットでもおなじみの定番レザー。

アメリカはシカゴの名門タンナー、ホーウィン社のクロムエクセル。


ご覧の通りの素朴さ。

色ブレやキズなど革に対する規制が強くなるなか

これ程ワイルドな素材は驚きです。

とても量産には向かない素材だと思いますが、

そこがこの革の最大の魅力であり、大好きなところです。

今ではMOTORの重要なラインナップの1つになっています。

この革にあまり細かいことは求めてはいけません。

こういう革を作り出すタンナーがあることは素晴らしいことだと思います。




革好きの人はほとんど知っていると思いますが


通称プルアップレザーと言われるこの革は、


数種類の油脂を調合して作られたオイルを塗り込みじっくりと時間をかけて


油脂を浸透させるため、仕上がりまでに通常の何倍も時間が掛かります。




2mm以上の厚みがあり、革の裏面を指で押し上げてみると

しっかりと革の繊維まで浸透した油脂が繊維内を移動し、

表面が明るく変化する特質を持っています。

押し上げた指を離すと表面のオイルが集まり元の濃さに戻ります。



床面にはHorween社の焼印とデシ数が表記されています。

床面は比較的きれいに処理されており

多少ざらつきはありますがスウェード程の毛羽立ちもありません。





クロムエクセルは素材の特性上、それぞれ色に濃淡の差があります。

シワの状態やキズやシミ、コスレなどもありますが

あえて傷隠し等の加工を行わず素材本来の持ち味を活かすため、

できるだけナチュラルな状態の革を

楽しんでいただけるような素材として選びました。




元々オイルを十分含んだ革なので日常的にはクリームは必要ありません。

小さなスレならば、指でこすると馴染んで消えていきます。

やや気になる傷がついた場合はクリームを少し付けて磨くと目立たなくなります。


コロニルのクリームを付けた後、クロスで磨き上げると結構ツヤが上がります。




メンテナンスや環境などで随分と変わってきますが、

今まで取り上げたクロムエクセルならではの

無骨なエイジングをご参考ください。



本池がアメリカ・スタージスに旅立ち、
約3週間の日程で7000キロ以上を走破したときに










1年半使用  MOTOR レースアップブーツ ロングウォレット ナチュラル 














約2年半着用   MOTOR レースアップブーツ ナチュラル


















使う程に無骨なエイジングを魅せるオイルレザーと、

スタイリッシュなフォルムのバッグ、、、



完成を想像しただけでワクワクします!


次回は型紙を元に各パーツを裁断していきます。


お楽しみに!